ASKA『Too many people』余韻。

「しゃぼん」が終わり、ループ再生が

「FUKUOKA」のイントロを流す時、

言いようもない安心感に包まれる。

まるで赤ちゃんが母親に抱かれるように。

ASKAさんの歌声を聴くと、その深い温かみにまた泣きそうになる。

 

2月26日

いろいろなことがありましたが、

「Too many people」

リリースできて、本当に良かった。

僕は、以前から、アルバムはひとつの円だと語ってきました。

1曲1曲が、円の隙間を埋めるようにして、全体でひとつの円を作る。

「バリエーション」という、表現もありますが、僕は、円と呼んでいます。

2月26日。 - aska_burnishstone’s diary

 

ひとつの大きな円を感じる瞬間だ。

 

生命に感謝を捧げるように、

「しゃぼん」から「FUKUOKA」へ。

 

自然に、繋がってゆく。

 

 

 

 『Too many people』には溢れんばかりのエネルギーが宿っている。

「僕のストーリーで完結させて、淡々と楽曲を作っていきました」と雑誌『音楽と人』4月号のインタビューでも語っているように、

今まで以上にASKAさんを感じるアルバムだ。

それは自分に真摯に向き合い、そこから立ち上がり前へ進もうとするASKAさんの生きようとする力、そのものなのだろうと思う。

 

 

 

前作『SCRAMBLE』から4年あまり。

時間だけを見るとファンにとっては長いブランクでも、ミュージシャンとしてはそう珍しくもない期間だ。

 

だけどその前後から、ASKAさんの内側、外側では大きな嵐が吹き荒れていた。

 

その嵐の風を少なからず感じ取り、不安という暗い雲に覆われていた私の心に、少しずつ陽が射してきたのが、2016年7月18日。

 

ASKAさんがブログを始めた日だ。

 

そこから起こった変化は、ASKAさんにとっても、また遠く離れていたところでASKAさんの音楽を聴いていただけの私にとっても、数え切れないほどある。

 

ブログの一語一句に一喜一憂し、ついにリリースされたアルバム。

それを手にした時の感慨。

 

今までは歌の感想、アーティストに対する想いなど、公に発信することなど考えたこともなかった。他の人の感想を積極的に知りたいとも思っていなかった。

それぞれが、それぞれに抱く想いを大切にすればそれでいい。

 

音楽だけに関わらず、意見の食い違いというものは、時に自分や相手を否定したりすることに繋がる。

それを冷静に受け入れられる時のみ、意見は交わせる。

 

だから、自分にとって思い入れの強いもの、大好きなものこそ、大切にしまっておきたい。

 

そんな考えでいた。

 

でも、この今までにない思い入れの詰まったアルバムを聴いて、心の震えがとまらず、どうしてもファーストインプレッションを残しておきたい、という衝動に駆られた。

 

この衝撃を、感動を、あやふやになってしまいそうな感情を、言葉で表現するのは到底無理と知りながらも、とりあえず記しておきたかった。

 

 

アルバムが発売され、早や三週間が経ち、すでにファーストインプレッションからは変わりつつもある各曲への想い、印象。

 

もう一周、余裕で書き連ねられるほど(笑)、まだまだ溢れ出てくる。

 

もちろんあくまでも私の曲に対する想いであって、ASKAさんが曲に込めたものとは違うだろう。

 

  12月27日

みなさんが、僕の歌を聴いてくれていることで、僕は幸せ。

みなさんの波動が、ちゃんと届いているから。

 少し、気になってること。 - aska_burnishstone’s diary

 

ASKAさんの謙虚な姿勢に甘えて、自由に、感じたままに、この幸せを堪能したい。

 

 

これから、たくさん寄せられているというアルバムの感想を、少しずつASKAさんのブログのコメント欄や、amazonレビューなどで読んでいくのも、私にとっては新しい楽しみだ。歌への解釈がより広がり、深まっていくことと思う。

 

 

様々なアルバムへの想いがある中、

私のブログを読んでくださっている方に、是非オススメしたいものもある。

 

まず、tencho さんの「Too many people は仮面ライダーである」という、独特なアルバム論。

?から!となる、とても興味深い考察です。

他にも、ASKAさんのソロアルバムレビューを超個人的視点から、オモシロ素晴らしく書いていらっしゃいます。

レビューっていいな、と初めて思いました。

前編=?、後編=!です。

 

超個人的コラム『枕』 - BASSO memo

超個人的コラム『本編』~『さげ』 - BASSO memo

 

 

そして、大きなチャゲアス愛、ASKA愛でもって感性豊かな感想を綴られた、まっきーさんのブログ。ほぼ同時進行でUPしていたこともあり、自分の想いをまとめた後、まっきーさんの同じ曲への感想を読ませていただいていました。共有できることの素晴らしさに気付きました。

まっきーさんの創る、消しゴムアートの作品にも注目です。

  

しゃぼん〜Too many people🎵〜 - チャゲアス への想い〜ENERGY〜 maki's diary

 

 

また、皆さまの想い、共感したレビュー、日常生活のことなど、どんなことでも 、気軽にコメント欄に残していただけたら、とても嬉しいです。

もちろん、読んでいただくだけでも、大歓迎ですよ。

 

 

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毎夜、

アルバムクレジットを眺めては、

ついにやったなぁ、

とニヤついている。

見慣れたメンバーたちに加え、「お友達にきまってるじゃないか」さんや、「ASKAの音楽を愛する仲間」さん。

手書きで加えられた、マスタリングの「龍王」さん、09.「元気か自分」の Guitar「狩野良昭」さん。

そして Special thanks の「わかりあってる仲間たち」さん。

きっと「僕たちの音楽を愛するあなた達」も隠しクレジットで入っている。

2月26

あちこちにあるレビューを、読ませていただき、

心の底から、「このアルバムはみなさんと一緒になって作ったのだ」と感じています。

2月26日。 - aska_burnishstone’s diary

 

2月9日

このアルバムは、仲間の支えによって完成できたのだと。

参加してくれたミュージシャンたちは、皆、一線で活躍している人たちなので、ほぼどこかの事務所に所属しています。コンプライアンスの問題で、事務所との衝突もあったことが、様子から伺えましたが、誰もそれを口にしませんでした。

これまでも、小さなことや、受け取り方の違い、誤解はあったでしょう。

僕が、気づかなかったことがあったと思います。

それでも彼たちは、「何があっても仲間だ」「家族だ」と、いう気持を、持っていてくれましたので、壁を壁とせず、それを飛び越えて参加してくれました。

音楽誌の取材。 - aska_burnishstone’s diary

 

少し長い引用になるが、この仲間との絆が、彼らの心が、このアルバムの底に確かに存在する。

 

だから、

このアルバムを聴くと、温かい気持ちに満たされる。

 

 

希望への切符を胸に、まだまだ続くASKAさんの道。

 2月26日

別の円を作る楽曲が、まだまだあります。

そして、その円を円にするために、必要な楽曲がまだあると感じるならば、

更に新曲を作っていくつもりです。

2月26日。 - aska_burnishstone’s diary

一年間で最低でも2枚のアルバムを発表したいと考えております。

ブログや『700番』で綴られていた、この心踊る言葉は『Too many people』を聴いてさらに現実味を増した。

そのくらいの勢いを、今のASKAさんからは感じる。

「DDLB-0001」の表記を愛おしく、期待を込めて見つめる。

社会における「通常の概念」や「つまらない常識」に身の丈を合わせることなく、全てを自由の基に、そして発想の基に生きてゆくという思想を、「独創」を、是非この DADAレーベル で実現していってほしい。

 

 

 

意識が大きく変わった、この特別なアルバムは、まるい形をした虹色の希望。

 

『Too many people』から始まる景色は、まだ始まったばかり。

 

ASKAさんのこれからを楽しみにしている。

 

 

このアルバム『Too many people』 に、

ASKAさんの一歩一歩に、

そしてASKAさんの一歩から始まった、

皆様との繋がりに、

 

勇気を、希望を、幸せをもらっている。

 

 

感謝の気持ちでいっぱいです。

 

 

 

心から、

ありがとう。

ASKA new album を聴く。13.「しゃぼん」


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YouTube「しゃぼん」より


ほとばしる生命力が強く感じられた、このアルバム『Too many people』。

 

全編を通して聴いて伝わってくる、

ASKAさんの生き様、ASKAさんの景色。

 

それは、

 

「虹色に回る 色の定まらないしゃぼん」

 

「屋根の近くまで届いては消える しゃぼんのよう」

 

 

だと、最後の最後に歌われる。

 

なんて孤独で、なんて寂しいんだろう。

 

 

「きっと僕はとても臆病で勇敢で 切なく陽気で」

 

そう、

でもきっと誰でもそうなのだ。

 

 

「弾けて消える 音もなく消える」

 

 

私たちは皆、そんな儚い生命を懸命に生きている。

 

 

 「ますます明るくなってゆくのは 朝さ 答えかい」

 

 

深く、切なる叫び。

なんとか希望を見出そうと、もがいているかのように。

 

「嵐が去ったら何になる?

    晴れになる

    いいえ、朝が来るんです」

                 ( 散文詩 「朝が来る」)

 

 

 

『700番 第二巻/第三巻』、第二巻  1.「医療保護入院」の章。

 

ASKAさんは、

(1) 情緒不安定であること

(2) 被害妄想があること

(3) 自らが精神病を有することを理解できないこと

との診断から、突然全ての自由を奪われた。

鍵をかけられた部屋。

電話も取り上げられ、本も読めず、何もすることがない。

何より誰にも信じてもらえない。

 

「小さくなっていく。自分がどんどん小さくなっていく。」(「700番 第二巻」)

 

「心が寒かった」(「700番 第二巻」)

 

絶望に打ちひしがれそうになりながら、ベッドの上で出来たばかりのこの歌を呟く。

 

 

「僕の上に天使はいるかい 胸を踊らす光はあるかい

   僕の側に君は居るかい 見ていてくれるかい」

 

 

どんなに不安だっただろう。

どんなに悲しかっただろう。

 

その時の心情を想うといたたまれなくなる。

 

決して誰も悪くない。

 

だからこそ、苦しさは募る。

 

 

「それでも それでも ああそれでも」

 

 

それでも朝は必ず来る…、

希望を持ち続けるのだ。

 

 

11月21日

いろいろ、話題は尽きませんでしたが、

録り直しの3曲が、ほぼ終わりました。

負け惜しみでは、ありません。

前のテイクより、良いテイクになったと思います。

こう書くと、

「前に一緒に作った方に失礼だ。」

こういう言い方もされるでしょうが、これは当たり前のことです。

楽曲に、完成はありません。

タイムアップでを迎え、

「これで、良し!」

と、思ったところを完成と呼ぶのです。

なので、時間をいただいた分、楽曲はイメージに近づいていきます。

 上手く行きました。 - aska_burnishstone’s diary

 

取り直しになった3曲。編曲は澤近泰輔さん。

この日のエントリーから

「それでいいんだ今は」、「元気か自分」、そしてこの「しゃぼん」が、その曲なのだろうと分かる ( 間違っていたらごめんなさい )。

歌詞カードの写真撮影が、11月5日だったことも思い出す。

 

アレンジが変わっても、作った本人のASKAさんには別曲には聴こえないという、その素のメロディーだけをなぞってみる。

 

ASKAさんが病院のベッドで見ていた景色を、その心を想像しながら。

 

あれから様々な困難も乗り越え、洋服を着替えた曲たちは、この日どんなに頼もしく、誇らしく思えただろう。

 

 

11月27日

これで良しっ!

な、気持ちになっています。

今は、1曲ごとの感想はありません。

アルバムが到達点直前にいることの喜びを感じています。

今、13曲をとおして聴きました。 - aska_burnishstone’s diary

 

13曲通して聴いて、この時のASKAさんの気持ちを想う。

「これで良しっ!」

何とも言えない充足感に満ちた瞬間だったのではないだろうか。

 

しかし翌日の逮捕で状況が急変し、その喜びに浸る間すら奪われてしまった。

 

またもや大きな苦境に立たされる。

 

12月19日

予定が、20日間もズレてしまいました。

こんなところで止まっているわけにはいきません。

やれることを、やらなくては。

みなさんを、最高のアルバムでお待ちします。

 不起訴でした。 - aska_burnishstone’s diary

 

アルバムを早く届けたい一心で、釈放直後から奔走しただろうことは想像に難くない。

 

本当に懸命に。

 

このアルバムから強い生命力を感じるのは当然というくらいに、

たくさんの愛と情熱が込められている。

 

 

それなのに今もまだ苦悩は続いている。

 

実際に体験していることを妄想と一蹴される。

覚せい剤の後遺症だ、病気だと取り合ってもらえない。

分かろうともされない悔しさ。

 

 

「いま幸せですか 苦しいですか

    何度も自分に問いかけてみる 投げる」

 

 

問うても問うても、

答えが見つからない時がある。

願っても願っても、

叶わないこともある。

 

しゃぼんのように儚い、

人の喜び、悲しみ、そして生命。

 

 

「この寂しさは どこから来るんだろう

    それでも それでも ああそれでも」

 

 

それでも生きていく…。

 

力の限り、振り絞られる歌声。

 

そこには、命への限りない愛がある。

希望がある。

 

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「それでも それでも ああそれでも」

 

魂に直接響いてくる、歌の域を超えた歌。

 

しゃぼん ASKA - YouTube

ASKA new album を聴く。12.「未来の勲章」

雲の隙間から少しずつ明るさを増していく、そんな朝焼けのイメージが湧いてくる。

 

 9月1日

ただ今「未来の勲章」が、上がりました。

8ビートのロックサウンドです。

終わったー! - aska_burnishstone’s diary

 

終わったー!という達成感を一緒に感じて、にっこりした日。

この文章を読むだけで、前向きな気持ちになり、わくわくした。

 

その時の高揚感がサウンドにのって蘇ってくる。

 

 

「この胸に貼り付けた 未来の勲章は

   どんな嘘も真実も痛みも優しさも

   抱きしめている」

 

 

深い淵を歩き、真摯に自分に向き合ったからこそ出てくる言葉だろう。

抱きしめている、という表現がいい。

 

 

 

10月30日

空はいつも不安定。

今日、また見えてしまったあの曇り空からは雨が降ってくるのでしょうか。

僕のリュックに傘はあるのでしょうか。

雨に濡れながらも

いまは歩くしかないと思っています。

人生に、

「ありがとう」と言うために。

  いま、ミックスが終わりました。 - aska_burnishstone’s diary

 

「未来の勲章」のミックスダウンが終わったこの日。

トラブルを乗り越えても乗り越えても、また見えてくる曇り空。

少し不安な気持ちも伝わってくる。

 

 

「旗を上げて朝を下ろして

    時に僕は深い現実を見る

    寒がらないよ 誰もがくぐるのさ

    いつかいつか訪れる季節さ」

 

 

厳しい季節を見つめ、受け止め、決して悲観しない。

「それでいいんだ今は」の精神にも通じている。

 

 

寒さを跳ねのけるかのような、 男性的で逞しいメロディー。

そこから大きく変化を見せるサビは、ポップで華やかでとても印象的だ。

 

「クールでシュールでキュートな 夢を守って

    遠くで近くで掴んで 心に残る旅をするのさ」

 

いつまでも耳に残る、とことんキャッチーな語感。だけどそこには、頼もしく大きな決意が込められている。

 

 

「伴奏が終わっても歌がつづくように

    夢中になった人でありたい」

 

 

散文詩 「春夏秋冬」にもあったような、

これから進む自分の道への意欲。

 

そしてその決意に沿うような力強い歌声、歌い方に心が震える。

 

 

 

諦めることなく歌い続ける、

 

その一歩一歩に、

 

勇気づけられる。

 

 

自分も一歩踏み出そう、

 

そう思える歌。

 

  

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ASKA new album を聴く。11.「信じることが楽さ」

最初から最後まで、ASKAさんの根っこがそのまま伝わってくる歌詞。

 

「僕は迷いもなく 遠い星を数えて

    深い深い夜を愛おしく思う」

 

生命に対する深い愛を感じ、一つ一つの言葉が心に沁みる。

 

 

個人的には、よくぞこのアルバム『Too many people』に入ってくれた、と泣けてくるほどに強い思い入れもある。

 

『700番 第一巻』(加筆修正された完全版 3月19日発売予定) が、ブログとして2016年1月に発表された時、何よりもまずASKAさんの「生」を感じて安心した。

だけど、ASKAさんの真実、想いが理解できると同時に、痛みを伴わずには読めないところもあった。

 

このブログでは、ほとんどの章の終わりに散文詩が添えられていたのが特徴的で、そこがとてもASKAさんらしい。

その中で私が一番印象に残った詩が、週刊文春の章にあった「信じることが楽さ」だった。

 

ASKAさんの真実とはほど遠い、メディアのでたらめな報道。世間が持ったイメージ。

そのことに一番傷つき、苦しんでいるのはASKAさんだろう。

 

 

人生で心が傷つく度に、また傷つくのが怖いからと、信じないことが楽さ、に傾きつつあった私は、

 

この週刊文春との経緯を書いた後に、

この詩を載せる、綴ることのできる

ASKAさんの心のあり方に、目が覚めるような思いがした。

 

そのため私のブログでも何度かこの詩を引用した。

 

どんな状況にあっても、人を、生命を敬い、愛する。

その揺るぎない強さを感じるこの詩には、

それでも足りないくらいの、たくさんの気付きがあった。

 

 

まるでその強さを試すかのように、さらに降りかかる大きな試練 (昨年の逮捕)。

 

2014年には、雑誌記者が、取材ではないと前置きした会話と未発表曲を隠し録音し、自社Web会員に公開した。

2016年には、芸能リポーターが、電話での会話や未発表曲をテレビで流した。

 

繰り返されたアーティストへの冒涜。尊重されない約束。先入観、偏見に満ち、なぶるような報道。

 

それに対してASKAさんは、

静かに真正面から抗議をする。

昨年もそうだった。

ただその憤りでさえ、優しい心で締めくくる。

 

12月22日 

今日は、1日雨でした。

雨を喜ぶ人がいる。

晴れを喜ぶ人がいる。

 

いいんです。

見上げたら空があれば。

 尿とお茶 - aska_burnishstone’s diary

 

この歌「信じることが楽さ」の芯が、この数行にも表れているように思う。

 

『700番』で読んだ時から、ASKAさんって人は…、とその美しい心に驚きすら覚えていたけど、

この日、ASKAさんの本質は変わっていない、変わることのないものなんだと、ますます感じ入った。

 

  

「Too many people」では、メディア報道で傷ついた心が、

この「信じることが楽さ」では、それでも変わらないASKAさんの生命のあり方がベースになっている。

 

 

「悲しみの言葉を 綴ることのないよう

    水たまり避けながら 行くことが苦手で」

 

とリンクして思い出す、

 

「僕はと言えば 冬の支度も 出来てないけど

    歌を歌うよ」( In My Circle )

 

 

不器用で無防備とも言える生き方。

 

そんな生き方しかできないけど、ただ自分の道を歩み続けるだけ、といった達観した人生観を感じる。

 

 

また唯一、このアルバムの中でほぼ私のイメージ通りだった曲の雰囲気。

ブルースハープが入ってもよさそうな ( 超個人的な要望です)、感傷的なメロディー。

ギターのフィンガーノイズ (キィュ、キィュと鳴る) 音がたまらなく良い。

 

 

デジャヴュではないけど、一年間歌詞だけを読んでいたのに、抵抗なく自然に馴染んでゆく。

ずっとそばにいたような、ずっとそばにいるような。

 

 

 

信じないことが楽さ、と時々つぶやくようになっていた自分の弱さに向き合え、

 

「疑うことは寂しいことなんだ」

やっぱり「信じることが楽さ」と

ガシッと肩を抱いてもらったみたいな、そんな安心感をこの歌から与えられた。

 

 

 

「両手でポケットを まさぐって歩く

    道はいつでも僕に新しい」

 

 

 

生きていくのに大切な強さは、

自分も含めた、人間への揺るぎない愛を持ち続けること。

 

例えどんなに厳しい環境に置かれても、

例えどんなに冷たい仕打ちを受けても、

 

生きている限り、優しい瞳を持ち続けたい。

 

ASKAさんがそうであるように。

 
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それを忘れないでいさせてくれる、

大切な大切な歌。

 

ASKA new album を聴く。10.「通り雨」

ASKAさんの「ら·ら·ら」♪ がとにかく優しく、心がすーっと穏やかになっていく。

 

7月21日

今、みなさんにお聴かせしたい新曲は「通り雨」という楽曲です。フランス映画のような心地よさを感じてもらえるはずです。「楽曲制作は急がないでくれというコメントがありましたが、3日で完成する曲もあれば、1週間経っても完成しない曲があります。どの曲にも妥協はありません。何度も語ってきましたが、曲は振り向かせるため、歌詞はその曲を長く聴いてもらうため。「UNI-VERSE」は、歌詞だけで、1ヶ月かかりました。メロディに対して、文字数の制限がありますので悩むのです。散文詩は制約を受けません。詩は色感。歌詞は語感です。

おはよう。 - aska_burnishstone’s diary

 

ASKAさんがブログを始めてまだ4日目。

早く聴いてもらいたい、聴きたいという、この日のASKAさんと私たちの願いが、今叶えられている。

その喜びを、幸せを、あらためて噛みしめる。

 

こうやって少しずつ報告される制作状況は、毎回本当に楽しみで、貴重だった。

 

 

 

シンプルだけど映画のようなタイトル。

それだけでどんどん想像は膨らむ。

 

このヒントをもらえたのはとても嬉しかったのだけど、

私の観たフランス映画といえば、パトリス·ルコント監督の「髪結いの亭主」とか、ジャン=ジャック·ベネックス監督の「ベティ·ブルー」など。

結末は必ず上手くいかない、アンハッピー·エンドで…。

一度デートでこういったフランス映画を観てしまい、あまりにもリアルな悲劇的展開に、その後雰囲気が重苦しくなって会話に困ったことがあった。その日から会う回数もぐんと減っていったっけ。

こんなことも「通り雨」を聴くと、美しく思い出せそうなくらい、

ピュアに透き通っている。

 

どこか懐かしくて、温かくて。

特にギターの音色にはうっとりとしてしまう。

 

永遠の名曲、ギルバート·オサリバンの「Alone Again」にも通ずる心地良さで、

 アルバム『SCENE Ⅲ』(聴いていて心地よくなるアルバムNO.1) に仲間入りできそうな雰囲気がある。

 

フレーズ終わりの

ひたすら優しい、

「ってね」

が素敵なアクセント。

 

「夕焼けを騙すように 雨が降ってね」

「コンクリートを叩く メロディも出さずに」

 

始まりから、洗練された描写に惹き込まれる。

 

そして、

 

「仕事場でヤなことが 今日はあってね」

「笑えるように話するから どうか愚痴を聞いて」

 

このフレーズに心が清流で洗われていくかのよう。

自分のもやもやでいっぱいいっぱいのはずなのに、

なんて綺麗で思いやりのある表現をするんだろう。

気の済むまで話聞くよって、

抱きしめたくなるくらい。

 

 

恋人同士の何気ないワンシーン。

 

「同じ思いしてる恋人たち

    きっと空を見上げてるはず」

「目の前の風景 洗われてゆく

    わずかな通り雨に」

 

自分たちの幸せを感じつつも、

同じ空を見上げている他の人をも思いやる。

嫌なことがあっても、

きっとわずかな通り雨で洗われていくよ、

だから、

大丈夫だよ。

 

 

そんな優しさまで滲み出ている。
 

 

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ASKA new album を聴く。09. 「元気か自分」

まるで、大人向けの絵本のよう。

 

幼い頃行きたかった雲の上に散歩に行ってみた。

この曲を聴いていると、そんなフワフワとした夢の世界にいるような気分になる。

時々流れるピアノの音色が、天使の足音みたい。

 

前曲「と、いう話さ」から、ガラッと場面が変わり、ASKAさんの声も軽やかに、瑞々しく変化する。ふんだんなASKAさんのハーモニーが美しい。

 

 

「スニーカー」「夢」「星屑」「小舟」「煙突」「パレット」「おもちゃ」などなど、カラフルな単語がいっぱい散りばめられていて、聴いているうちにウキウキして、歌って踊りたくなる。

 

 

そのウキウキなメロディーにのって軽やかに歌われる歌詞は、よく聴くととっても大人向け。

ピリリッと辛口な現実を、淋しさを、ワクワクする響きの言葉が包んでいる。

 

 

8月25日

今日は、記念日ですね。 お祝いしてくれて、どうもありがとう。 いま、作業が終わりました。 タイトルは、 「元気か自分」です。イイ歌が録れました。おやすみます。

8月25日 - aska_burnishstone’s diary

 

この日は なんて斬新なタイトル!と驚いた。

ちょっとぶっきらぼうにも聞こえる「元気か自分」。

これが一体どうやって音にのるのか、

どんな歌詞なのか、

ちょっとロックっぽい感じかな、と想像していた。

 

 

 10月28日

社会の風は、2年後に吹き止むでしょうか。 きっと、そうはならないでしょう。 「今を強く生きる」 「元気か自分」 やはり、これなのだと思います。

1通のメール - aska_burnishstone’s diary

この日のこの文章でやっと、

あ、こんな風に使う言葉なんだ、と思い至った。

 

どうにもならない厳しい状況で、

落ち込みそうになる自分を、

ちょっと強めに励ます、そんな時。

 

「元気か自分」!って言ってみるのはいい。

 

 

「光が濃いと 影だって濃い」

 

その関係に意識を向けるだけで、

なるほど、と腑に落ちることも多い。

 

「毒入りのジュースは鮮やかな色さ」

 

そう、とても魅力的なものには大きな危険も伴う。

 

そして、

誰の中にもある光と影も、

その濃度は同じ。

 

影だけを抱えているわけじゃない、

光もその分濃いんだ。

そう思うと、濃い影に押しつぶされることもない。

自分の闇から抜け出すのも、

人の闇を認めることも、

そんなに難しくないことのように思える。

 

 

光と影をうまく調和するための呪文が、

「おはよう おかえりなさい 元気か自分」

夜から朝へ、闇から光へ。

 

その二つがあって一つ。

丸ごと自分を愛して、

胸を張って生きようよ。

 

そんなメッセージが伝わってくる。

 

絵本の中に出てきそうな一つ一つの言葉が、

その奥にある深い優しさが、

弾むメロディーにのって届く。

 

 

 

「インスタントな気持ち

    胸を彩る パレットのナイフで

    すべてを塗りつぶしてみる  ララ♪」

 

そこからまず一歩踏み出してみる。

 

「またいつものところで 幸せしましょう」

 

幸せに感じる場所へ自分を連れてってあげよう。

(ライブ会場だったら最高!)

 

「言葉じゃなく歌を歌おう 歩きながら」

 

ほら、明るい気持ちに近づいていく。

 

 

「元気か自分」

 

頑張れ自分より、ずっとずっと優しい言葉。

  

『音楽と人』ありがとう!!!

これほど、恭しく一冊の雑誌を手に取ったことがあっただろうか。

 

ASKAさんにインタビューをした金光裕史さんのツイートから、金光さんの想いが伝わり、楽しみにしていた発売日。

 

明日は「音楽と人」4月号の発売日!!! - dyko’s diary

 

 

実際雑誌を目の前にすると、『音楽と人』の雑誌作りにかける真摯な姿勢までが伝わってくる。

手を綺麗に洗ってから、背筋を正してページをめくった。

 

どんなことが書かれてあるのだろう、とちょっとドキドキしながら。

 

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だけど、この最初のページの最後の一文を読んで、もう先を読めなくなってしまった。

涙に視界がぼやけてしょうがない。

 

「ASKAの音楽に救われ、人生の一部になってしまった人たちに、そして心無い一連の報道に傷ついた人たちに、このインタビューを贈ります。」

 

今までなおざりにしていた自分の心の動き。

第三者の愛のある視点で言われて初めて、この「人たち」の中に自分は入っている、と気付いた。

 

心のこもったこの一文に、胸がいっぱいになった。

 

 

ASKAさんが一人で語るよりも、インタビューという形の方が伝わることがある。

 

「音楽」「本」「テレビ」「雑誌」

この時期にいろいろな角度から、ASKAさんの想いを伝えることは、ASKAさんの真意がより広く、深く理解されるために大切なこと。

 

ASKAさんは誠実だ。そして自分に忠実。

そのブレない姿勢は、同じく誠実で心のある人々を通すと、こんなにも真っ直ぐ心に届く記事になる。

 

 

音楽雑誌のプロの方からしてみれば、当たり前のことを当たり前にしただけ、というところだろうけど、

まだコンプライアンスの壁も少なからずある状況で、真っ先にASKAさんの音楽活動、新しいアルバム、そして人間性に注目してくれた事が、何よりも嬉しい。

 

また、客観的な目線の的確な質問で、今までASKAさんの言動を見てきて私が感じていた、そのままのASKAさんの姿を伝えて下さっていた。

どの質問も、答えが聞けて、そして形になって良かった、と思えるものだった。

 

編集長の金光さんの「やっぱりヒューマニティとか、人の根っこにある愛と愛情。そういうのをちゃんと切っていけるような雑誌にしようって。」(2015年の石井恵梨子氏のインタビューより) という言葉のとおり、『音楽と人』は、アーティストの人間力を強く伝えるコンセプトの音楽雑誌。

ASKAさんの人間味、気持ちを汲み取り、それを伝える。その金光さんの「人間力」こそが、こういった記事を成り立たせる、と感じた。

 

インタビューの内容については、まだ発売されたばかりなので、今ここに書くのは控えたい。

 

 

ただ、

 

 

インタビュー、及び執筆をされた、
雑誌『音楽と人』編集長

 

金光裕史さん、

 

 

丁寧なお仕事、
そして心温まる贈り物、

 

 

どうもありがとうございました。

 

 

 

 

お礼の気持ちだけはどうしても伝えたい。

そう思わずにいられない、素晴らしい内容だった。