はじめての感動『モーニングムーン』
ASKAさんのファンクラブが始まり、着実に本当の意味でのスタートラインへ近づいている、と感じられるこの頃。
春、という季節も重なってか、自分自身も暖かく新鮮な空気に包まれているようで、このブログでもさらっと触れたことのあった、ASKAさんの楽曲との最初の出逢いを思い返し、綴っておこうかなという気持ちになった。
あれは忘れもしない、
外はまだ寒かった1986年のある日、私たち兄弟3人は、祖父母の家に遊びに来ていた。
中学生の兄が小学生の妹にプロレスの技(サソリ固めだったか?)を試そうとしている。
「きゃー、やめてよー」
「おりゃー」
カーペットの敷き詰められた10畳ほどの部屋は、子どもたちにはもってこいの遊び場。多少乱暴な遊びでも祖父母なら許してもらえたのをいいことに、ドタンバタン、キャーと、ついていたテレビには目もくれず、プロレスごっこに戯れていた。
ところが、
♪ズンッ チケチケ テーテン
テレビからシンセサイザーの妖しげ(に感じた)、かつハイスピードな音色を含んだ『モーニングムーン』のイントロが流れてくると、私たちの意識は一気にテレビへと吸い込まれた。
♪Ah Ah 午前五時 時間は二人を朝にして〜
「ぅわわ」
続く飛鳥さんの鼻にかかった歌声、重なるチャゲさんのハーモニーに圧倒される。兄と私は一瞬顔を見合わせ「すげぇ…」と呟いたっきり、お口ポカーン状態で見入った。
♪モォーニングムゥーーーーン
耳に残るメロディーとサウンドの独特なバランス、間奏での斬新なダンスステップ、そして何より熱く気迫のこもった歌唱スタイル。
この人たちが「チャゲ&飛鳥」だったっけ!?
それまでも『万里の河』は聴いたことがあったけど、その歌手名はぼんやりと覚えていた程度だったのだろう。テレビの中で『モーニングムーン』を歌うチャゲ&飛鳥とは、ルックスも曲のスタイルもなかなかひとつに結びつかなかった。が、ともかく、今まで聴いたことのなかったタイプの音楽、熱いパフォーマンスに、私たちはすっかり魅せられた。
「めっちゃくちゃカッコいい!」
その時のTV番組が何だったのか、他の出演者は誰だったのかなどは、一切記憶に残っていない。
ただ『モーニングムーン』の「チャゲ&飛鳥」だけは、この時しっかり、くっきりと私たちの脳裏に刻みこまれた。
そういった認識の変化もあってか、この頃からCHAGE and ASKAの音楽は、日本中にどんどん広まっていったように感じた。
事実、CM、テレビ、ラジオでもよく聴く、超メジャーな人気グループで、私の生活にも、当たり前のように「日本の文化」として存在していた。
とは言っても、いろいろな回り道をした私、心への響き具合、聴き方が大きく変わり、強烈に惹かれるようになったのは、『モーニングムーン』からずいぶん経ってからではあったのだけど...。『モーニングムーン』で感じたような、それを大きく上回る「ぅわわ」な衝撃、深い感動は、そのあと何度も経験することになる。
今もなお、新しい音楽を生み続け、触れる度にまだまだ新しい感動がある「ASKAワールド」
心から尊敬、感謝してやまない。
そしてASKAさんの楽曲、存在は、これからもずっと大切にしていきたい、誇れる「日本の財産」で、同時に私の人生の中でも守っていく、心から大事に思う、かけがえのないものだ。
出逢えたことに、
感謝。