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ASKA new album を聴く。13.「しゃぼん」


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YouTube「しゃぼん」より


ほとばしる生命力が強く感じられた、このアルバム『Too many people』。

 

全編を通して聴いて伝わってくる、

ASKAさんの生き様、ASKAさんの景色。

 

それは、

 

「虹色に回る 色の定まらないしゃぼん」

 

「屋根の近くまで届いては消える しゃぼんのよう」

 

 

だと、最後の最後に歌われる。

 

なんて孤独で、なんて寂しいんだろう。

 

 

「きっと僕はとても臆病で勇敢で 切なく陽気で」

 

そう、

でもきっと誰でもそうなのだ。

 

 

「弾けて消える 音もなく消える」

 

 

私たちは皆、そんな儚い生命を懸命に生きている。

 

 

 「ますます明るくなってゆくのは 朝さ 答えかい」

 

 

深く、切なる叫び。

なんとか希望を見出そうと、もがいているかのように。

 

「嵐が去ったら何になる?

    晴れになる

    いいえ、朝が来るんです」

                 ( 散文詩 「朝が来る」)

 

 

 

『700番 第二巻/第三巻』、第二巻  1.「医療保護入院」の章。

 

ASKAさんは、

(1) 情緒不安定であること

(2) 被害妄想があること

(3) 自らが精神病を有することを理解できないこと

との診断から、突然全ての自由を奪われた。

鍵をかけられた部屋。

電話も取り上げられ、本も読めず、何もすることがない。

何より誰にも信じてもらえない。

 

「小さくなっていく。自分がどんどん小さくなっていく。」(「700番 第二巻」)

 

「心が寒かった」(「700番 第二巻」)

 

絶望に打ちひしがれそうになりながら、ベッドの上で出来たばかりのこの歌を呟く。

 

 

「僕の上に天使はいるかい 胸を踊らす光はあるかい

   僕の側に君は居るかい 見ていてくれるかい」

 

 

どんなに不安だっただろう。

どんなに悲しかっただろう。

 

その時の心情を想うといたたまれなくなる。

 

決して誰も悪くない。

 

だからこそ、苦しさは募る。

 

 

「それでも それでも ああそれでも」

 

 

それでも朝は必ず来る…、

希望を持ち続けるのだ。

 

 

11月21日

いろいろ、話題は尽きませんでしたが、

録り直しの3曲が、ほぼ終わりました。

負け惜しみでは、ありません。

前のテイクより、良いテイクになったと思います。

こう書くと、

「前に一緒に作った方に失礼だ。」

こういう言い方もされるでしょうが、これは当たり前のことです。

楽曲に、完成はありません。

タイムアップでを迎え、

「これで、良し!」

と、思ったところを完成と呼ぶのです。

なので、時間をいただいた分、楽曲はイメージに近づいていきます。

 上手く行きました。 - aska_burnishstone’s diary

 

取り直しになった3曲。編曲は澤近泰輔さん。

この日のエントリーから

「それでいいんだ今は」、「元気か自分」、そしてこの「しゃぼん」が、その曲なのだろうと分かる ( 間違っていたらごめんなさい )。

歌詞カードの写真撮影が、11月5日だったことも思い出す。

 

アレンジが変わっても、作った本人のASKAさんには別曲には聴こえないという、その素のメロディーだけをなぞってみる。

 

ASKAさんが病院のベッドで見ていた景色を、その心を想像しながら。

 

あれから様々な困難も乗り越え、洋服を着替えた曲たちは、この日どんなに頼もしく、誇らしく思えただろう。

 

 

11月27日

これで良しっ!

な、気持ちになっています。

今は、1曲ごとの感想はありません。

アルバムが到達点直前にいることの喜びを感じています。

今、13曲をとおして聴きました。 - aska_burnishstone’s diary

 

13曲通して聴いて、この時のASKAさんの気持ちを想う。

「これで良しっ!」

何とも言えない充足感に満ちた瞬間だったのではないだろうか。

 

しかし翌日の逮捕で状況が急変し、その喜びに浸る間すら奪われてしまった。

 

またもや大きな苦境に立たされる。

 

12月19日

予定が、20日間もズレてしまいました。

こんなところで止まっているわけにはいきません。

やれることを、やらなくては。

みなさんを、最高のアルバムでお待ちします。

 不起訴でした。 - aska_burnishstone’s diary

 

アルバムを早く届けたい一心で、釈放直後から奔走しただろうことは想像に難くない。

 

本当に懸命に。

 

このアルバムから強い生命力を感じるのは当然というくらいに、

たくさんの愛と情熱が込められている。

 

 

それなのに今もまだ苦悩は続いている。

 

実際に体験していることを妄想と一蹴される。

覚せい剤の後遺症だ、病気だと取り合ってもらえない。

分かろうともされない悔しさ。

 

 

「いま幸せですか 苦しいですか

    何度も自分に問いかけてみる 投げる」

 

 

問うても問うても、

答えが見つからない時がある。

願っても願っても、

叶わないこともある。

 

しゃぼんのように儚い、

人の喜び、悲しみ、そして生命。

 

 

「この寂しさは どこから来るんだろう

    それでも それでも ああそれでも」

 

 

それでも生きていく…。

 

力の限り、振り絞られる歌声。

 

そこには、命への限りない愛がある。

希望がある。

 

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「それでも それでも ああそれでも」

 

魂に直接響いてくる、歌の域を超えた歌。

 

しゃぼん ASKA - YouTube