ASKA new album を聴く。10.「通り雨」

ASKAさんの「ら·ら·ら」♪ がとにかく優しく、心がすーっと穏やかになっていく。

 

7月21日

今、みなさんにお聴かせしたい新曲は「通り雨」という楽曲です。フランス映画のような心地よさを感じてもらえるはずです。「楽曲制作は急がないでくれというコメントがありましたが、3日で完成する曲もあれば、1週間経っても完成しない曲があります。どの曲にも妥協はありません。何度も語ってきましたが、曲は振り向かせるため、歌詞はその曲を長く聴いてもらうため。「UNI-VERSE」は、歌詞だけで、1ヶ月かかりました。メロディに対して、文字数の制限がありますので悩むのです。散文詩は制約を受けません。詩は色感。歌詞は語感です。

おはよう。 - aska_burnishstone’s diary

 

ASKAさんがブログを始めてまだ4日目。

早く聴いてもらいたい、聴きたいという、この日のASKAさんと私たちの願いが、今叶えられている。

その喜びを、幸せを、あらためて噛みしめる。

 

こうやって少しずつ報告される制作状況は、毎回本当に楽しみで、貴重だった。

 

 

 

シンプルだけど映画のようなタイトル。

それだけでどんどん想像は膨らむ。

 

このヒントをもらえたのはとても嬉しかったのだけど、

私の観たフランス映画といえば、パトリス·ルコント監督の「髪結いの亭主」とか、ジャン=ジャック·ベネックス監督の「ベティ·ブルー」など。

結末は必ず上手くいかない、アンハッピー·エンドで…。

一度デートでこういったフランス映画を観てしまい、あまりにもリアルな悲劇的展開に、その後雰囲気が重苦しくなって会話に困ったことがあった。その日から会う回数もぐんと減っていったっけ。

こんなことも「通り雨」を聴くと、美しく思い出せそうなくらい、

ピュアに透き通っている。

 

どこか懐かしくて、温かくて。

特にギターの音色にはうっとりとしてしまう。

 

永遠の名曲、ギルバート·オサリバンの「Alone Again」にも通ずる心地良さで、

 アルバム『SCENE Ⅲ』(聴いていて心地よくなるアルバムNO.1) に仲間入りできそうな雰囲気がある。

 

フレーズ終わりの

ひたすら優しい、

「ってね」

が素敵なアクセント。

 

「夕焼けを騙すように 雨が降ってね」

「コンクリートを叩く メロディも出さずに」

 

始まりから、洗練された描写に惹き込まれる。

 

そして、

 

「仕事場でヤなことが 今日はあってね」

「笑えるように話するから どうか愚痴を聞いて」

 

このフレーズに心が清流で洗われていくかのよう。

自分のもやもやでいっぱいいっぱいのはずなのに、

なんて綺麗で思いやりのある表現をするんだろう。

気の済むまで話聞くよって、

抱きしめたくなるくらい。

 

 

恋人同士の何気ないワンシーン。

 

「同じ思いしてる恋人たち

    きっと空を見上げてるはず」

「目の前の風景 洗われてゆく

    わずかな通り雨に」

 

自分たちの幸せを感じつつも、

同じ空を見上げている他の人をも思いやる。

嫌なことがあっても、

きっとわずかな通り雨で洗われていくよ、

だから、

大丈夫だよ。

 

 

そんな優しさまで滲み出ている。
 

 

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