ASKA new albumを聴く。06.「それでいいんだ今は」
ビートがきいていて、伸び伸びしたASKAさんの声がなんとも気持ちのいい曲。
お昼休みの終わり、仕事を再開する前に聴きたくなる。
爽やかさいっぱいに、エネルギーを充電できそうだ。
ASKAさんのブログ内では触れられたことのない曲で、タイトルを知った時は、その意外性に想像が膨らんだけど、
軽快なサウンドにのる歌詞からは、ASKAさんのブログで感じた、ブレない心がそのまま伝わってくるようだ。
私は、歌を歌い続けるために歌を歌うことを選びました。多くの批判を浴びることは承知いたしております。私は、私の人生をこれ以上邪魔したくありません。
と、削除されたブログ『700番』(「700番 第一巻」として3月19日発売予定 )にあったように、険しい道のり、批判は覚悟で、それでも歌い続ける意志を貫いたASKAさん。
「埃っぽい 埃っぽい道を走る
拳を握って ぶつかるように走る」
「失くせないものがあって
渡せないものがあって 僕は夢に口づけを」
7月にブログが始まり、アルバム制作が少しずつ具体的な過程に入ってからも、様々な問題にぶつかった様子が綴られていた。
10月10日
今回のアルバムは、かつてないほどの苦境に立たされました。仕方ありません。
自分が撒いた種です。
楽曲の多くは、自宅にて作りあげていましたが、やはりギター、ドラム、ピアノ、ベースは生音にしたかったのです。
僕の自宅で鳴らしていた、サンプル音源では、ゴージャスになりません。
スタジオにて、生音と差し替える作業を試みたのですが、都内の何処のスタジオも、コンプライアンスの問題で、僕には貸してくれませんでした。
明日から、また始まります。 - aska_burnishstone’s diary
10月21日
しかし、ここでもコンプライアンスの壁が立ちはだかりました。マスタリングを受けてくれる会社がないのです。
10月28日
メールの内容は、とても紳士的でした。その上で、「今回のアルバムからは辞退させて頂きたい」との趣旨でした。若い、そして才能のあるミュージシャンの障害になることは、決して望みません。今の僕ではないということです。
中略
さて、もう一度、その曲を最初から作り直しです。
11月1日
昨日、連絡が入りました。
アルバムの中から、更に2曲外さなくてはならなくなりました。
そのうちの1曲は、すでにMixを終えていた曲でした。
アルバム完成までに、こういったトラブルは細かいことも含め、他にもたくさんあったのではないだろうか。
それらに加えて、ASKAさんが今までは携わったことのなかった、制作工程における一つ一つを学びながらの作業。
想定済みのこととは言っても、実際遭遇するとやっぱり痛い。
思わずため息が出てしまうこともあっただろう。
「空っぽに 空っぽになりかけても
諦めることはない 手放すことはない」
それでもこの歌詞のように 、次々と出てくる問題にも、決して挫けるような様子はなかった。
一つ一つの問題に、冷静にポジティブに立ち向かっていく。
10月21日
それでも諦めずになんとかやってみます。
何とかなるでしょう。
いつも最後はそうですから。
Mixが、やっと7曲終わりました。 - aska_burnishstone’s diary
10月28日
すべてにおいて、黙することは「正」であり、また「誤」のようです。答えなどありませんが、答えのようなものはいつも見え隠れしています。それが、見えているのなら、そこに向かって歩いて行くことは自然です。
1通のメール - aska_burnishstone’s diary
11月1日
その3曲が無くさなかったものは詞と曲でした。
3曲とも、お似合いの服を着ていたのですが、脱がせましょう。
季節が変わったと教えてあげればいい。
もう一度、On your mark です。
星の下。 - aska_burnishstone’s diary
折れそうな気持ちは、まず言葉から諦めないことで、また上向きになっていく。
現在、レコード会社との契約はありません。自費出版でも構わないと思っています。1年間で最低でも2枚のアルバムを発表したいと考えております。いろいろなことが起こりました。仕方の無いことだと受け止めています。「Youtube」でみなさんからの「ASKAさんへ」を拝見いたしました。「ニコニコ動画」で流れるみなさんのコメントも読ませていただきました。
ありがとう。ありがとう。心からありがとう。どんなことがあってもそばにいてくれるような歌を作り続けたい一心です。
ブログ『700番』にも綴られていたASKAさんの気持ちは、
強い意志を持って、
ついに形になった。
10月30日
一歩進んで感謝。
一歩進んで反省。
最後の一歩で
光の拍手をもらいたい。
いま、ミックスが終わりました。 - aska_burnishstone’s diary
鳴り止まない、たくさんの光の拍手が、聞こえているだろうか。
困難にぶつかっても、必ず道を見つけて切り開いてゆける。
耐えるだけの時期を受け入れて、
それでも諦めない。
「それでいいんだ今は」には、ブログのあちこちで見られるASKAさんの生きる姿勢が、ぎゅっと詰まっている。
「例えギターが割れたって
鳴らしてみる空へ」
リズムにのるように、
あくまでもさわやかに、
だけど芯は極太の、
不屈の精神が伝わってくる。
例え前に進んでいないように思えても、
その時期は、後に出す大きな一歩への準備期間。
暗くて長くて地味で、苦しくなる。
そんな時は明るく、
「耐えることで過ぎるなら
それでいいんだ今は」
と歌えばいい。
きっと前向きな気持ちになれる。