ASKAさんのTV出演翌日の各TV報道。

(本の内容が分かるような部分は、ネタバレにならないよう省いています。)

 

ASKAさんのテレビ西日本『ももち浜ストア』生出演、放送翌日の16日、

各情報番組はこの話題をどう取り上げたのか。

 

関係者が一丸となって実現した内容も、

実際には全国ネットで取り上げられている方が世間には広まってしまう。

 

そういった現実で、今のASKAさんはどう映り、どう伝わったのだろう。

 

 

 

 

まず、フジテレビ系『とくダネ!』では、

 

"ASKAテレビで語ったお茶の謎”として、

出演当日、ASKAさんが自宅を出るところを(他社と共同で)取材。

記者「テレビ出演を決めた理由は?」

ASKA「流れです。全部流れです。」

記者「騒動についても語りますか?」

ASKA「はい、語りますよ。失礼します。」

という受け答えの様子が流れた。

ASKAさん以外の風景(自宅、車、人など)にはボカシがかかっていた。

 

続いて、出演したTVのインタビュー映像。

覚せい剤を使う経緯や、

「後悔も反省もある」「(今は)見たこともない」「(今後の使用は)もちろんない。全く考えたこともない」

という今のASKAさんの覚せい剤に関する気持ち、

「白でも黒にされてしまう、とにかく考えろ、考えろ」という思いからお茶にすり替えたこと、

「(執行猶予期間は)社会に馴染んでいくためのリハビリの期間と捉えている」

とASKAさんが語る部分が流れた。

 

小倉智昭さんは、「しっかりした話し口調だし、目を見てもきちっとしてるように感じますよね、見た目はね」と古市憲寿氏に話を振り、

古市氏も「そうですね。あんまり変なところはないですよね。しかも最近直近の事件に関して言えば不起訴処分になっているわけで、どんなに怪しく見えても推定無罪っていう原則もありますし、過度にASKAさんを犯罪者扱いをする必要はないなっていう風に思っていて、やっぱりアーティストって歌が全てじゃないですか。このFUKUOKAって歌も、変な歌っていうよりいい歌だなっと思うんですよね。」と発言すると、小倉さんも同意。

前日のASKAさんの生歌唱映像が流れる中、岡部さんも「すごく良くってていうのもあれですけど、やっぱりASKAさんてすごいなって、改めてミュージシャンとしてすごい才能のある方なんだなって実感させられましたし、説得力のある歌い方っていうのは感じますよね。」と感想を述べた。

小倉さんは「地元でファンや応援する人も多いから、テレビ西日本の出演が叶ったということなんでしょうね。」と締めくくった。

 

 

全体に小倉さんのASKAさんに対する、親しみをこめた温かい姿勢が表れた内容だった。

 

 

 TBS系『白熱ライブ ビビット』では、

 

"ASKAテレビ出演復帰 新曲を熱唱”として、

出演直後にスタジオを出るASKAさんの映像と、

その後の食事会の場所前で、TBS記者が直撃した様子を放送。

記者「ASKAさん、今のお気持ちは?」

ASKA「うん、なんかうまくいきましたね。うまくいったというか、ちゃんと歌えた。」

記者「少し緊張されているようにも見えたんですが、いかがですか?」

ASKA「テレビはいつも緊張しています。」

記者「これまでは(再活動へのきっかけとしては)考えたりはしなかったけれどもと、仰ってましたけど、いかがですか?」

ASKA「そうですね。今回はうまく歌うということよりもどういうふうに見えるんだろうということをすごい気にしてたので、きっとそっちの方に比重を置いていたように感じますね。」「本当にありがとうございました。寒いですけど。」

と答えた後、カメラに手を振り、食事処に向かうASKAさんの姿が伝えられた。

 

その後、当日朝自宅を出るASKAさんの(とくダネと同じ)映像を流し、

前日のASKAさんのブログから、

「再出発は、ふるさと福岡から。願いは叶いました」

「まだまだ、向かい風は強いでしょう。現在の僕を知っていただくための出演です」

「この先に見えてくるのは、どんな景色でしょう」

の部分のみを紹介。

テレビ出演の様子はイラストで再現し、

「最初に逮捕されて以降、覚醒剤は使用していない?」という質問に、

「見たこともないですね」「よく言いますよね その気になればどこにでもあるし手に入るものだと、それは特別な状況にならないとなかなか目の当たりにはしないですよ」と答えた部分や、

2度目の逮捕の際に尿をお茶にすり替えたことについての、

「1回目の逮捕の時の経験からなんですけど、僕が取り調べでしゃべったことと違う内容を世の中に発表されてしまうので、普通に尿を提出したらこれは白でも黒にされてしまうなと、とにかくその瞬間考えろ、考えろって気持ちが強かったですね」というASKAさんの発言を取り上げた。

 

また、新曲を歌ったとしてYouTubeの「FUKUOKA」を一部流し、出版される本の紹介があった。

テレビ復帰に関しての福岡のファンの声は、「ずっと待っていましたから嬉しくて。この日ばかりを待っていました」や「思ったよりは早かった気もするんですけど…」という意見が放送された。

 

その後食事場所へ到着するASKAさんの(冒頭と同じ)映像と、2時間半後食事会を終え車に乗ろうとしているASKAさんをもう一度直撃した様子、

記者「やっと語れる時が来たということですが、一番訴えたいことは?」

ASKA「誰にも心の傷を与えず、自分の言えることが言えたということですかね」

記者「薬物はもう断ち切りましたか」

ASKA「もう全然やってないですね」

など(本の内容に関する応答もあったが、ここでは省略)が流れた。

 

その後、2014年からの経緯、本、アルバム発売などを伝えた上で、このタイミングでのテレビ出演に関して意見が交わされた。

 

富岡佳子さん「まず執行猶予中なので、その期間を全うしてからでも遅くはなかったかな、と。ファンの方は熱烈な方が多いので待って下さると思うし、ちょっと早かったかなと思いました。」

真矢ミキさん「こんな素敵な歌じゃないですか。この素敵な歌に説得力が欲しいと思いました。早いというよりも、手順が、信用回復するためには時間と手順があって、それが自粛っていうことなんじゃないか、この歌に説得力が欲しい。本も書かれるし、賢い方だと思うんです。だったらこの世間との温度の違いをしっかり受け止めて、地元の方って優しいしファンの方って優しいし、でもそんな意見だけじゃないっていう世間に目が向いたらいいなって思いますね。」

国分太一さん「確かに本業でいうと、清原さんが野球の解説をやっていたら、ちょっと違和感あるのかなって思ってしまうんですよね。清原さんは薬に対してはテレビでコメントはしていましたけども、そう考えるとちょっと本業に戻るのが早すぎたのかなって…。」

南美希子さん「仰る通りですね。ただ悪いけどこの映像を見て大きな違和感を感じますね。2回の逮捕、1回目は執行猶予、2回目は嫌疑不十分ですけど、どう考えても言動が腑に落ちませんしね。薬からの脱却って他の方の場合見ても、ものすごく長い道のりを辿ってようやく出来るかできないかっていう感じですよね。テレビって言うのは一つの公器ですよね。その公器に出演するというのは早過ぎるし、全く理解できないし、許されることではないと思いますね。」

水谷修氏(夜回り先生)「怒ってます。ふざけるな、です。執行猶予っていうのは、本来刑務所にいなきゃいけないのを、家族とか色んな人がいるから外でもう一回反省しなさいと、でも外にいる刑務所の中にいる状況と同じなんですよ。この映したテレビ局も何考えてるのか、一緒に捕まった彼女はどう思うのか、子どもたちはどう思うのか。この時期というのは、社会奉仕活動したり、あるいは家族のために動いたり迷惑をかけた人に償い、社会に償う時期でしょ。何の償いもしてない。歌が償い?そんなのは理由にならないですよ。この映したテレビ局も許せないし、彼ももう少し考えて欲しい。怒ってます。」

弁護士三輪氏「ただ、犯罪を犯して執行猶予中の人だっていうことは、大前提なんですけど、更生のためにはやっぱり仕事は大事だと思います。なので、その仕事を全くできないようにしてしまうのはダメだと思うんですよね。ただその仕事の仕方がテレビていうところがポイントだと思います。」

 

 

水谷修氏の執行猶予に関する発言は、心情的には言いたい事は伝わっても、執行猶予に対する間違えた理解をそのままに表したものであり問題がある。

弁護士の三輪氏が正すような発言を直後にしていても、ネットニュースなどではそのフォローは取り上げられない。

その他の出演者も、ASKAさんのこの時期のテレビ出演を疑問視する内容のコメントばかりだった。

 

 

続いてフジテレビ系『ノンストップ!』

 

ASKAさんの話題は番組冒頭で扱われた。

"ASKA 告白&熱唱 逮捕後初のテレビ出演”として、ASKAさんが語る覚醒剤使用のきっかけ、その後の経緯、今そして今後の使用の可能性、後遺症·禁断症状、執行猶予期間についてをインタビュー映像で紹介。

 

そして、

ASKAさんを動かしたのは音楽への情熱、

そんなASKAさんを支えたのはふるさと福岡の地と仲間だった、

そういった想いを込められて創られた歌として、

「FUKUOKA」を歌うASKAさんの映像が、「つま先をコンとついて」から間奏までたっぷりめにナレーションなど挟まれることもなく流れた。

 

また、放送を見た人の反応として、「表情が硬かったですね。緊張してるんですかね。反省してるのかな、と」「チャンスがあるならまたいい歌を出してほしいとは思いますし、頑張ってほしいなと思います」という意見を紹介した。

 

千原せいじさんは「思てたより、健康状態は良さそう。落ち着いてはる。」とコメントした。

 

さらに、ASKAさんが、盗聴·盗撮被害やパソコン乗っ取り被害に遭っているということ、強制入院の経緯、内容にも本の紹介と共に触れた。

入院生活や釈放時の様子、お茶を尿の変わりに提出したことなどについては、テレビ出演の映像、本の内容を一部抜粋し、ASKAさんの言葉を紹介する他、法科学研究センター所長の雨宮氏の見解もコメントで紹介された。

 

また、本編集担当者が語る ASKAさんの今後として、

「来週発売のCDの中には、CHAGE and ASKA  として歌うことを想定した曲もある」

という、ファンにとっては最大関心事とも言える内容のコメントをさらりと加えて、今後は積極的に音楽活動していきたいってことなんですねという風に締めくくられた。

 

 

歌の紹介の丁寧さと、盗聴·盗撮被害を取り上げたところが特徴的な内容だった。

 

 

 今ASKAさんのことを最も取り上げている、

フジテレビ系『バイキング』では、

 

今週の気になったニュース第3位として扱った。

60歳以上の街のご意見番の、

「まだまだこれから活躍して欲しい。このままではもったいないですよね、素晴らしいシンガーですから。」

「私どれだけファンだったの。だってこの人歌上手いじゃないの。もうすごい声出すしさ、でも私生活はダメ。女房も子どももおるのにお前はダメだよ。」

「ちゃんとしたことをしないで、告白本出して儲けたりして欲しくない。それは不誠実でしょ。一冊も売れなきゃいいと思う。」

といった声を伝え、

励ましの言葉のある一方で、厳しい声も寄せられているという、中立の姿勢を意識した内容だった。

 

「覚醒剤を使用したキッカケは?」「抜け出すことはできなかった?」「なぜ尿検査でお茶を入れた?」「ズバリ、今覚醒剤の使用は?」「後遺症、禁断症状は?」「今回の出演が再逮捕のキッカケ?」という質問とASKAさんの答えを、実際に放送されたインタビュー、歌の一部の映像と共に伝えていた。

 

スポーツ報知の「執行猶予期間はリハビリ。ASKA来年完全復活予告」という見出しの、

逮捕後の薬物との関係について「見たこともない。(今後の使用も)もちろんないという答えを真っ先に伝えておく」と断言したという部分の記事も紹介された。

 

芸能リポーター、あべかすみ氏は、テレビ出演の状況説明、17日に放送後の補足分インタビューの放送が予定されていることを報告した。

最後に、サンケイスポーツの「あす発売の告白本で新たな主張ASKA」という見出しの記事を紹介し、

ASKAさんの主張について、坂上忍さんの「素人としては辻褄が合う。ただ、専門家ではないので、そこで(専門家の検証)どういう答えが出てくるのかは、僕には分からない」という発言で話題は締めくくられた。

 

坂上さんがASKAさんに会ったことで、過度にASKAさん寄りにならないように注意した、見守るという姿勢での内容だったと思う。

 

 

昨年の逮捕時の報道内容が問題となった、

日本テレビ系『情報ライブ ミヤネ屋』では、

 

"ASKA氏 逮捕以来となるテレビ出演 あす著書発売 2度目の逮捕の真相綴る”として、

テレビ出演後と当日自宅を出る際のASKAさんの(他局と共同の)映像を紹介。

 

自宅を出る映像では、

「記者の質問には全て答え、心なしか足どりも軽いように見えた」とのナレーションが付いていた。

 

そしてテレビ出演の内容は写真での紹介となった。

 

Q.今あるのは後悔?反省?

「後悔も反省もありますね」

Q.1回目の逮捕以降、覚醒剤の使用は?

「見たこともないですね」

Q.断ち切るために後遺症·禁断症状は?

「全くなかったですね」

「どういう感覚だったかも覚えていない」

Q.今後は?

「もちろん ないという答えを真っ先に伝えなければいけないんですけど、僕はそういうこと全く考えたこともない」

というインタビュー内容を中心に伝えていた。

 

 著書『700番 第二巻/第三巻』については、内容を一部抜粋紹介。

警察に通報し、尿検査に至るまでの経緯などをオリジナル再現ビデオなどを使って説明した。

 

その後、サンケイスポーツの山下伸基氏、弁護士の西山宏昭氏らも交え、

宮根氏は「薬物に関しては(TVで)きっぱり否定されたんですけど、個人によって違うということなんですが、これはASKAさんの個人的な感覚であって、間違って伝わると怖いのがASKAさんはこうかもしれないけど、みんながこうというわけじゃないということは覚えておかないと」と発言し、

禁断症状にすごく苦しまれる人は多く、再犯の可能性も非常に高いことであり、個人差はあるが、ASKAさんの場合はそう(後遺症·禁断症状がない)だったということなんですよね。

でもあくまでも全ての人に当てはまることではない、ということを強調した。

 

本の内容だけでは、まだ分かりにくい部分もあるところを客観的に指摘したりはしていたが、ASKAさんの主張を疑ったり、TV出演の是非を問うような発言はなかった。

 

CMに入るギリギリの時に宮根氏が唐突に、「嫌疑不十分とは、どういうことなんですかね」と弁護士の西山氏に問いかけ、

「ほとんど無罪と同じような意味合いです」と答えてもらったところで締めくくられた。

 

逮捕、不起訴の経過で放送されていたような、疑いを裏付けているかのような姿勢ではなく、中立な立場での内容に良い意味での変化を感じた。

 

 

 

 

全ての報道ではないが、いろいろな番組を見比べることで、テレビというもの、世の中の空気を理解する助けとなる。

 

ただ時間がかかるので、そうできることでもない。

 

だけど、こういった違いがある、ということだけでも踏まえて、テレビなどメディアのニュースを受け取ることは、

報道に振り回されず、そこから自分で考えるという大事なことに繋がるように思う。

 

 

ASKAさんはこういった報道を、どう受け取ったのだろう。